2019年4月25日
当社の記事が、2019年4月25日付 印刷ジャーナルに掲載されましたので、お知らせいたします。
同人誌印刷で育んだ「瞬発力」を武器に、圧着DM特化型印刷通販サイト「圧着DMの栄光」(https://eikou-print.net)を展開する(株)栄光(広島県福山市箕島町6455−3、岡田一社長)。圧着DMに特化した「情報発信」や専門工場としての「安心感」と「実績」、さらには「サイトにある以上のサービス対応」により、多くの「栄光ファン」をリピーターとして獲得している。
発注元は8割が印刷会社
印刷通販市場の黎明期とも言える2000年頃から量販型の総合印刷通販サービスを展開してきた栄光だが、市場での価格競争が激化する中で、2012年頃から「圧着はがき特化型」への方向を打ち出し、およそ3年前から「圧着DMの栄光」という特化型の印刷通販ブランドとして事業を本格化させている。
同社が「圧着DM」という商材に特化した背景には、売上全体の8割を占めるメイン事業「同人誌印刷」の存在がある。
一般商業印刷の需要が低迷を余儀なくされる中、リーマンショック以降も堅調に推移する同人誌市場。ニッチな市場とは言え、この世界で同社は全国トップクラスの実績を誇り、年間3万件の仕事をこなしている。アマチュア作家が全国の同人誌即売会で発行する冊子印刷の平均部数は200部程度。それを「いかに安く、短納期で、印刷・製本して納めるか」が勝負だ。その「瞬発力」を高めるため、同社ではかなり前からニスコーター付UVオフセット印刷機を設備しており、これが「圧着DM」の製造工程に合致。自社の生産設備をフルに活かせる「圧着DM」という商材に特化することで存在価値を高めた結果、その受注量は5年で倍増し、販促手段としての「圧着DM」需要の伸びも追い風に、100部からの小ロットに加え、数十万部という大口受注も増えている。
「圧着DMの栄光」の発注元は、およそ8割が印刷会社。いわゆる「プロ仕様」のサービスモデルだ。
「印刷通販とは言いながら、新規で不特定多数と商売するような完全オープン型の取引はそれほど多くはなく、サイトがきっかけではあるが、ほとんどが印刷会社のパートナー企業として機能しており、業者間取引になると、相手の会社のフォームで発注書をもらって作業に入ることも多い」(岡田社長)選ばれる理由
ここ数年も毎年10〜20%の安定した伸びを示している圧着DM事業。その「選ばれる理由」はどこにあるのか。
まず、サイト上での圧着DMに特化した「情報発信」が挙げられる。郵便規定や料金に関する情報をはじめ、データ作成や取り扱い上の注意点、さらにはトラブルの回避方法などを公開し、「まずは栄光にご相談下さい」というスタンスで、顧客の印刷ビジネスを側面から支援している。同社が積み上げてきた経験が物語るコンテンツは「生きた情報」である。これらを惜しみなく公開することで、ユーザーから高い評価を得ている。
また、専門工場としての「安心感」と「実績」がある。「『日本で一番安いか』と言われると、そうでもない。やはりコンスタントにこなしてきた実績を評価いただいている」(岡田社長)
さらに、「サイトにある以上のサービス対応」も同社が選ばれる大きな理由のひとつ。「リピート顧客を獲得するためには、納期などをはじめとしたある程度のイレギュラー対応も必要」(岡田社長)としており、「プロ仕様の血の通った印刷通販サービス」が多くのリピーターを呼び込んでいるようだ。A4サイズにシルエットで型抜き
「圧着DMの栄光」の製品バリエーションは、圧着はがきDMやロングサイズ圧着DM、大型圧着DM(A4・B5・A5)、ふち糊圧着DM、スクラッチ+圧着DMなど多岐にわたる。なかでも同社を特徴付ける差別化製品として「型抜き圧着DM」がある。これは仕上がりA4サイズの圧着DMを、製品などのシルエットで型抜きしてインパクト・訴求力を付加するもの。ここでもWebサイト上にデータ作成の注意点などを公開するとともに、コストを抑えるサンプル型を提示することで多くの注文に繋がっている。
さらに、中面はUV圧着ニス、表面は疑似エンボスのニス加工、それをA4サイズで型抜きするといったフルスペック仕様の圧着DMも他社にはない差別化製品だ。
同社では、資料請求によるサンプル配布にも対応しており、印刷会社が営業に使用できるように、「栄光」の社名が入っていないサンプルも数多く用意している。◇ ◇
今後は個人情報(宛名)と会員ポイントなどのバリアブル情報を同時に両面印字しながらフルカラー印刷できるデジタル印刷システムへの投資を視野に入れている同社。圧着DMの製造に派生するサービスとして、宛名印字、バルク仕分け、投函までをワンストップで受注できる体制を整え、今後も全国の印刷会社のパートナーとしての機能・利便性を高めていく考えだ。